昭和23年5月2日 日本でも導入された「サンマータイム」
日照時間が長い夏に時計を1時間早め、日の出が早い分を有効利用する制度「サマータイム」。現在、米国や欧州各国などで実施され、一般的になっている。
実は、日本でも戦後まもない昭和23年(1948年)、GHQ(連合国軍総司令部)の指令で「夏時刻法」が制定され、「サンマータイム」として同年5月2日から実施された。しかし、寝不足や労働強化になる、と世論の反発が強まり約4年で廃止されてしまった。
その後、石油危機の際に省エネ対策として導入論議が起きたほか、北海道では「北海道サマータイム」の研究が行わるなどしたが、再実施には至っていない。【乗峯滋人】
「サンマータイム」が導入された1948年5月2日付毎日新聞の記事は以下のとおり
目が覚めたら夏時刻 時計の針は進めましたか
今日(二日)からいよいよ夏時刻、時計の針は進めましたか……
今朝の日の出は五時四十九分、日の入りは七時廿八分--これになれるまでは太陽の高さで時刻をはかると錯覚を起こすことがあります、國鉄以下各私鉄も(二日の長距離列車の一部を除く)きようからいままでのダイヤをそのまま夏時刻にあてはめ、ラジオのプロは朝九時五分から十五分までの気象通報が九時五十分から十時までとなり、九時半から十時までの邦楽の時間がぬけるほかは変りはない、ここで例外は天文台、気象台や学術関係の精密な記録には従来のグリニッチ標準時や日本標準時が使われる、気象台の船舶向け無線気象通報は従来の通りグリニッチ標準時が使用されるので漁船などの夏時刻ではいままでの時間より一時間遅れてキャッチしなければならない、九日の礼文島の金環食も標準時で観測されるので一般の時計では一時間遅れになるわけだ。
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